国際公認フェルデンクライス講師・メディカルカイロプラクター、古淵かえる整体院院長の阿部です。
骨盤ベルトやコルセット、トコちゃんベルトの正しい巻き方をレクチャーします。微妙な巻き方の違いで、逆に痛めてしまうこともあります。正しい巻き方をしましょう。
骨盤ベルト(仙腸関節ベルト)の巻き方・付け方
● メッシュ素材(蒸れにくい!)
● ケータイより薄い(動きやすい!)
● 固定箇所がずれにくいもの
● 生ゴム製は選ばない!
1.仙腸関節にベルトを当てます
仙腸関節の位置は、だいたい腰骨のレベルにあります。
横から見た場合、骨盤ベルトはこのような角度で着けます。
これをイメージしましょう。
肌にじかに着けますと、かぶれたりしますので、下着などの上から着用しましょう。
2.内側のベルトを腰骨に巻きます(とても大切なコツがあります)
そして、内側のベルトから巻いていくのですが、ここで一つコツがあります。
それは、まずベルトを横に引っ張って伸ばしてから、骨盤を横から締めつけるように、大きな弧を描くように腰骨に巻いていきます。
これをやらないと、固定がうまくできないばかりか、逆に骨盤がぐらぐらになることもあるのです。
何も考えずに巻いた場合、腰骨を介して、仙腸関節を開いてしまう牽引力が掛かってしまい、逆に悪化させてしまうこともあるのです。(実際にそういう患者さんが多いです)
上の間違った巻き方をもう少し詳しく説明します。
オレンジの矢印(→)のように、「腰骨をしばる」ような固定をしてしまうと、本来固定するべき仙腸関節が、赤い矢印(→)の方向に開いてしまうのです。
だから、巻き方にはコツがあるのです!
3.外側のベルトも同じように巻きます
4.腰骨に引っ掛けたベルトを少し下げます
これで固定完了です。
※ ただし、この巻き方で少し違和感がある場合は、ベルトの位置を少し上げ下げしながら、快適な位置を見つけてみて下さい。
(2) 脚(特に太ももの外側から膝まで)に痺れが出た場合は、臨機応変に外す!
(3) 脚のだるさやむくみを感じる場合も、臨機応変に外す!
(4) 頭痛が起きたら外す!(骨盤を固定したことによる可能性)
(5) 動いてズレたら、着け直すこと!
トコちゃんベルトⅡ(2)の巻き方・付け方
1.トコちゃんベルトⅡの輪っかを作り、脚を通します
ベルトを穴に通して輪にします。(この時、「トコちゃんベルト」のタグが外側に来るようにします)
細い方が恥骨に当てる「前側」で、太い方はおしりを包む「後側」になります。
※ 前後の付け間違いに注意しましょう。
妊婦さんは、立って着けると危ないですので、椅子に座ったり、写真のように床に座って、ベルトを通します。
妊婦さんは、腹巻の上から巻いても良いと思います。
2.仮止めをします
ベルトが、恥骨と大転子が結ぶラインを通っているか、確認しましょう。
内臓や赤ちゃんが下垂しないように、意識しながらポジションを探しましょう。
後ろから見た写真です。
おしりを下から包むようにして、骨盤底筋をサポートします。
(※写真は、トコちゃんベルト1の写真です)
3.妊婦さんは骨盤を高くして、巻きましょう
5分ほど横になり、ゆったり左右に膝を揺らしたりしていますと、ベルトにゆるみが出来ます。
そのゆるみの分だけ、そっとベルトをひいて、ベルトを巻きましょう。
ポイント!この時、おしりをキュッと締めながら、巻きましょう。これをやらないと、大転子が内側に巻き込まれて、逆に骨盤底が開いてしまうことがあります。4.巻けました
おしりの部分は、上下に動かして、自分にとって心地よいポジションを探してみて下さい。
ただし、前の大転子から恥骨へのラインの高さが変わらないように注意しましょう。
トコちゃんベルトⅠ(1)の巻き方・着け方
1.仮止めをします
2.骨盤を高くして、巻きましょう
5分ほど横になり、ゆったり左右に膝を揺らしたりしていますと、ベルトにゆるみが出来ます。
そのゆるみの分だけ、そっとベルトをひいて、ベルトを巻きましょう。
ポイント!この時、おしりをキュッと締めながら、巻きましょう。これをやらないと、大転子が内側に巻き込まれて、逆に骨盤底が開いてしまうことがあります。3.巻けました
おしりの部分は、上下に動かして、自分にとって心地よいポジションを探してみて下さい。
ただし、前の大転子から恥骨へのラインの高さが変わらないように注意しましょう。
腰痛コルセットの巻き方・着け方
● 力を入れずに、巻きやすい
● 長いこと使ってもよれにくい
● 固定箇所がずれにくいもの
1.仮止めをします
2.外側のストラップで更に固定
3.巻けました
脳科学を利用した検査で、骨盤の歪みを調べます
あなたの骨盤は、本当に歪んでいますか?
骨盤だけ治してくれれば良いというものではなく、全身のバランスを考えた上での矯正でなければ、矯正効果も限定的なものになってしまうからです。
ですので、当院では骨盤矯正を目的に来られた方々であっても、必ず全身のバランスや内臓機能まで、細かい検査を行いながら、施術を行っております。
「骨盤矯正をお願いします」という方々の中には、実際はその必要がない(歪んでいると思い込んでいる)という方がたまにいらっしゃいます。その多くが痛みのない方々であったり、美容目的で来られる方々です。
そういった施術の必要のない方々には、骨盤への施術の必要はありませんとはっきりと伝えるようにしています。
骨盤の歪みをしっかりと鑑別できること。当たり前のことなのですが、その当たり前をお見せするのは、実際には難しいものです。
当院では、脳科学を用いた特殊な独自の検査手法で、骨盤の歪みを調べ、それをあなたに客観的にわかるようにしています。
産後の骨盤をゆるめて治す?骨盤ベルトを使う意味とは?
なぜ、産後の方は腰やおしりの周りが痛くなったりするのでしょう?
それは、多くの場合、骨盤周りの筋肉が過剰に緊張したために、筋肉が痛くなるからです。(全てのケースではありません。腰が前に反ったり、尾てい骨が後方に飛び出たようなケースでも、同じような症状を訴えます。)
それをゆるめれば、筋肉からの痛みは確かに和らぐのですが、それではなぜ筋肉が緊張しているのでしょう?
それには、理由があります。
答えは、ゆるんでしまった骨盤を筋肉で固定しようとしているからです。
しかしながら、骨盤周りをほぐして骨盤矯正としている所もかなり多いようです。
一見、それは正しい様に聞こえます。
ポイント!筋肉をほぐせば、身体が楽になると思うでしょうが、筋肉をほぐして筋肉が緩んでしまったら、骨盤を固定出来なくなり、結果的にそれは意味のない矯正になってしまいます。なぜ、意味のない矯正と言えるのか?
「骨盤ベルト」は、開いている骨盤を維持固定するためにあるものです。
ストレッチで腰を悪化したという方もいらっしゃいますが、実際には筋肉が緩んでしまって、骨盤が固定できなくなってしまったのかも知れません。
過去に何度も骨盤矯正を受けているのに、なかなか効果を実感できなかったり、または症状をぶり返してしまうと言う方は、実際は骨盤が緩みすぎた可能性もあります。痛みを追いかけた施術に捉われると、筋肉を緩める施術に捉われがちです。
確かに筋肉をゆるめれば、一時的には楽になるのです。しかしながら、それは治療とは程遠いものです。それは、強い薬を処方して、痛みを抑える対症療法のようなものです。開いている骨盤の関節に対するアプローチをしない限り、同じ事を繰り返すでしょう。
これとは逆に、ゆるめて良くなるケースもあります。それは骨盤の関節の動きが悪くなっている場合です。
しかし、特に産後の方などは、ほとんどの場合、関節がゆるんでしまったことによる症状と言えます。
ですので、産後は骨盤をほぐさない方がベストです。ほぐしても、ちゃんと固定できる施術やケアを行うのであれば、良いと思います。
骨盤体操をやって、逆に悪化してしまった
こういう方も実際に多く見られます。
多くの体操の本を読んでいますと、「骨盤を回せば、腰の筋肉が鍛えられて骨盤が締まる」というような大変キャッチーな言葉が躍っています。
ある意味、正しいと言えば正しいのですが、骨盤が安定していない人が、骨盤をぐるぐるやれば、筋肉がつく以前にさらにグラグラになってしまいます。
上にも書いたとおり、骨盤がゆるんでいる人は筋肉で骨盤を固定しようとします。それをさらに筋肉を使い過ぎて、痛みが強くなったら本末転倒です。
何を伝えたかったというと、人それぞれ身体の構造は違いますから、効果がある人も居れば、逆にそれが逆効果になる人が居て当たり前なのです。
「○○をすれば、必ず骨盤が締まる!!」「●●をしたら、歪みがなおった!!」など、全ての人に同じように効果があればいいのですが、実際にはそうではありません。自分に合ったものを見つけることが必要になります。
わからなければ、信頼できる専門家の方に聞くのが良いと思います。
ゴムチューブによる骨盤固定は逆効果?
特に、美容目的の骨盤矯正で見られるのですが、腰骨が広がっているからと、それをゴムチューブを使って、腰骨を近づけようとする無理な締め付ける施術は、実際には逆効果です。
腰骨を近づける力を加えると、逆におしり側にある骨盤の関節(仙腸関節)が開いてしまい、骨盤が安定しなくなり、さらに太りやすくなります。
骨盤ベルトの巻き方を間違っていて、症状が改善しない人も、実は同じようなことが起こっている可能性が高いです。