フェルデンクライス ATMレッスン レポート
2020年1月12日~31日に実施されたATMレッスンをレポートします。
転がるスフィンクスのレッスン
仰向けで、片方の膝を立てて、もう一方の足の踵を柔らかく引きずって、股関節に近付けたり戻したりを繰り返します。だんだんと立てた足の下に差し込み留まります。
差し込んだ側の腕を見上げるようにして、身体を傾けては戻るを繰り返して、スフィンクスのように、前腕に乗って上体を起こします。
来た道を戻ったり、反対側も同様に行い、だんだんとリズムを付けて、左右に転がります。
このレッスンは全身を協調するだけでなく、集団で行う際には、左右の人の気配を読み取り、同時に同じ方向に転がるなど、社会的な協調にも繋がるレッスンにもなります。
自分の体重を利用しながら、ゆっくり丁寧に転がる動きを繰り返します。
力ずくではなく、途中で動きが止まったら戻ってくる、を繰り返してゆきます。
だんだんと楽に転がれるようになってきたら、前腕で支えて上体を起こし、スフィンクスの姿勢を取ります。
そして、仰向けまで、来た道を通って戻ります。
片側から始めて、反対側も行い、最後は左右続けて行きます。
丁度スフィンクスが転がっているように。
背骨も、肋骨も、骨盤や下腿の骨や筋肉も協調して上手く組織出来ることで、動きの質が上がります。
彼女は仕事柄、いつも背面が固まってしまいますが、フェルデンクライスを続けることで少しづつ身体の使い方が変わってきました。
次回のレッスンもお楽しみに!
スフィンクスのレッスン
うつ伏せで、肘に寄りかかったり、手をついたりして上体を起こし、背骨を沈めてゆきます。
腕を伸ばし、肘、手首を上げ下げしたり、腕を大きく振り上げて床を叩いたりしてみます。
この時、身体のどの部分をどんな風に使っているでしょうか。レッスンの前後で、背骨の沈み具合いや、肩甲骨の動きを較べてみましょう。
初めの時よりも、より明確に感じられるかもしれませんね。
頭と肘が腕のアーチで出会うレッスン
横向きで腕でアーチを作り、頭や膝をスライドさせてアーチに近付けたり戻したりを繰り返します。
頭単独、脚単独、頭と脚を同時に、後ろにも反らすなど、バリエーションを行って行きます。
背骨や肩甲骨、胸が柔らかく動き始めるのを感じられるでしょうか。
自分が、今何をしていて、何を感じているか?意識を向けてみてくださいね。
沢山の発見があるかもしれません。
椅子のレッスン
椅子に座って、坐骨、背骨や肋骨の繋がりを感じながら動いてゆきます。
深く座った時、浅く座った時、片側のおしりだけで座った時、それぞれ身体をどんな風に使っているでしょうか。
坐骨をしっかりと感じて、骨格の繋がりをイメージしましょう。片方のお尻で座り、バランスを取りながら上半身を傾けてゆく時に、少し力を入れすぎてしまいました。
力まずに動くにはどんな方法があるのかな?と考える上での学びの一環になりましたね。
椅子に浅く座って、坐骨を感じながら、ほんの2mmくらい、骨盤を前後に転がします。どこかの地点で頭や背骨全体がサポートされている感覚があるでしょうか。
心地よく座れる場所を探して、優しく左右を向いたり、頭を傾けたりしてゆきます。
坐骨の圧や、背骨、肋骨、頭は?腕や足はどんな感じでしょうか。
右腕を肩に乗せて、左手でサポートしながら右手を背中にスライドさせてゆきます。
左右を向く、顎を肘に乗せて上下、左右を向くバリエーションを加えて行きます。
この時、それぞれどちらの足が上げやすいでしょうか。
自分の身体をどのように組織化して使っているのかを感じて動いてみましょう。
筋肉のムダな緊張が取れて、動きの質が上がりましたね。
変化を楽しみながらレッスンしてくださいね。
上半身と下半身を繋げるレッスン
横向きで頭を抱えて持ち上げたり、足を上げ下げしてゆきます。
頭、足でそれぞれ円を描いてゆきます。
頭のみ、足のみ、同時に、交互に、様々なバリエーションを行います。
自分がどんな組み合わせを選ぶのか、楽しみながら行ってください。
背骨がしなやかになり、はじめ辛かった横向きでが楽になりましたね。
背骨に捻りを加えて、肩甲骨、肋骨、胸骨に動きを出してゆきます。
同様に頭と脚部を持ち上げてゆきます。
表層の筋肉の動きは派手なので、力一杯動いてしまうと骨の動きが分からなくなってしまいます。
出来るだけ楽に、優しく動いてみると、骨格の繋がりを感じるかも知れません。
頭や脚を持ち上げる時も、持ち上げる部位よりも、その時に身体のどこが床を押すのかに意識を向けて見ましょう。
上体と下半身が背骨を通じてつながり、凝りが強すぎて、存在感の無かった肩甲骨がどこに居るのか見つけられたそうです(笑)
腕を伸ばすレッスン
おひとりの方は以前にもやりましたね。寝返りに繋がるレッスンです。
ただ、腕を伸ばすというシンプルなレッスンですが、仰向けで行ったり、横向きで行ったり、膝を立てたりしながら行います。
それだけのレッスンなんですが、様々なことに意識を向けさせることで、ひとつの動きに対し、数多くの選択肢を与えていきます。
さらにその与えられた選択肢から、また選択肢が与えられ、無数に可能性が広がっていきます。
神経のシナプスが爆発的に増えるのは、こうした理由です。
敏感な方になると、レッスンの後にぐったりしてしまいます。汗
それだけレッスンが脳に働きかけたということなんですね。
いつも施術にいらしてますが、今回は初めてのATM体験。
たまたま着てる洋服が色違いの同じものだったという仲良し二人組です。笑
初めてでしたので、比較的簡単なレッスンを行いました。
ただ、腕を伸ばすレッスンですが、寄りかかる場所を意識させたり、力が入っている場所を見つけたり、動いている場所を意識させたり、声の掛け方が変われば、受け手の脳や身体の使い方も変わります。
こうして脳の神経細胞の繋がりを無数に増やすことが出来ます。
ゆっくりなのに、頭がフル回転します。終わると身体に何らかの変化を感じることが多いですが、それは身体の変化でもあり、脳の変化でもあります。
腕や脚、顔の長さまで長くなった感じがしたようですね。
お二人とも楽しくレッスン出来ましたか?
また、時間を作って参加して下さいね。
今回は初めてのレッスンです。施術を行ったあとのレッスンですので、比較的バランスが良い状態ではあります。
腕を伸ばす際に、背中の体重が移動してくるところに意識を向けてもらいますが、片側でやったのみではそれが上手く感じとれませんでしたが、反対側で行ってからは、少しずつ感覚が目覚めていったようで、動きも変わっていきました。
この脳をフル回転させながら行うレッスンが、楽しかったみたいですね。
彼女にはとても必要なレッスンだと思います。
また、是非ご参加下さいね。
肘と膝を近づけるレッスン
この方にとっては以前にもやったレッスンですが、言葉がけも違うでしょうし、本人の気付きもまた違うでしょう。
仰向けや横向きで肘と膝を近づけていきますが、自分の身体が何処に転がっていくのか、その軌跡を感じましょう。
途中、ヨガブロックを肘と膝に挟んで、バラバラにならないように動かすなど、遊んでみました。笑
お疲れ様でした!
手で床を探るレッスン
仲良しきょうだい(姉と弟)です。
二人とも指示された言葉の解釈の違いや、さらに性格の違いが動きに現れてます。実に面白いです。
お姉ちゃんは難しくて出来なさそうな動きだと、変化球を投げるように、様々なやり方を編み出して行きますが、弟くんは直球勝負しか出来ません。ひとつのやり方にこだわろうとします。他のやり方を試さずに、すぐに諦めてしまいます。
レッスンの最後は、両前腕で脚を支えて、バランスを取りながら、後ろに転がって起き上がってくるのですが、弟くんはこの動きは好きな動きのようです。
逆にお姉ちゃんはこの動きは苦手のようです。笑
プロセスを踏んでこなかった弟くんの方が最後は面白そうに動いてました。
フェルデンクライスのレッスンでは、あるひとつの動きに対して、いくつかのやり方を探らせたりします。
バリエーションを増やすことは生きる上でもとても大切なことです。
なにか困難に出会った時に、ひとつのやり方で上手くいかなければ、他にやり方を思いつかなければ、乗り越えられません。
自分でも思いもよらなかった知見によって、一気に視界が開けたことはありませんか?
それを動きというシンプルなことを使って学ぶメソッドなんですね。
レッスンを試してみたくはありませんか?
前屈が楽になるレッスン
仰向けの姿勢、座った姿勢で、頭と膝を近付けたり離したりします。
片側から始め、同側、交差、両側同時に行って行きます。
座って両膝を持ち上げ、坐骨で歩いてみましょう。
この動きの前と後では、前屈の動きが大きく変わりました。
ストレッチをしなくても、骨の動きを良くすることで可動域は大きくなります。
動きの質もしなやかになりましたね。