フェルデンクライス ATMレッスン レポート
2018年10月に実施されたATMレッスンをレポートします。
横座りから身体をねじるレッスン
Tさん(男性)とMさん(女性)の兄妹のATMレッスンです。二人とも70代です。
「横座りから身体をねじるレッスン」
Tさんは初期の認知症と診断されています。
目の焦点が合わなかったり、スリッパを片方だけ履いて着替え室に向かったり、部屋がわからなくなったりなど、傍から見て、認知機能の低下がわかりました。昔の記憶はあるようですが、最近の事柄が覚えられないなど、短期記憶が少し弱いようです。
しかし、普通に会話も出来ますし、ゆっくりながらレッスンも理解出来ました。
レッスンの始めは、少し言葉掛けの反応が悪かったのですが、レッスンを続けているうちに、動きが次第に変化。目線の高さや足の長さの変化など、次々と自分の身体への気づきを教えてくれるようになり、表情がみるみる明るくなっていくのが、わかりました。
脇では奥様がレッスンを見学されていましたが、レッスンが進むごとの変化に驚かれた様子。
複雑なことをやらせて、意識が集中しますと、脳への血流も増えてきます。
レッスンが終わり帰る頃には、声も大きくなり、表情も明るく変わっていたのが、大変印象的でした。
この調子なら、認知症も良くなりそうな気がします。
30代の女性KさんのATMレッスン。遠く葛飾区からの来院。
たまに首が全く動かなくなることがあり、その度に当院でカイロプラクティックの施術を受けて、その場で首が改善するのですが、家が遠いこともあり、定期的に来るのが難しいですので、緊急時に自分で対処出来るようにフェルデンクライスATMレッスンをおすすめしてみました。
上の70代の方々と同じレッスンを行いましたが、さすがに若いだけあって、レッスンの理解も早いです。
身体の様々な部位に意識を向ける様な言葉掛けをすると、それに応じて動きが変わっていきます。同じ動きをしているはずなのですが、面白いですね。
身体の可動域が大幅に良くなり、翌日に行われたママさんバレーで大活躍出来ましたとLINEから興奮気味な報告が来ました。笑
「なんでこの動きだけで変わるんだろう?」と思うようなレッスンなのですが、スポーツやダンスのパフォーマンスが上がります。バレエをうまく踊りたい方など、是非、皆さんにも体験して頂きたいです。
横向けから腕や頭、かかとを転がすレッスン
上でも取り上げたTさん(男性)とMさん(女性)の兄妹のATMレッスンです。
しばらく、週1回のATMレッスンを行います。
Tさんは初期の認知症ですが、前回見られたような認知症特有の行動や、目の焦点が合わないなどは見られませんでした。
少し忘れっぽいところはあるようですが、表情などは前回よりも良いですし、ボディスキャンの反応も良いですね。
レッスンの言葉掛けのチョイスが悪かったからか、最初は動きが上手くいかないようでしたので、時折ハンドサポートを入れつつ、少し予定変更しながらのレッスンとなりました。
前回の時もそうでしたが、レッスンが進むにつれて、動きもハッキリとしたものになり、気づきも深まっているのが、見てわかりました。レッスンに前向きに取り組んでいるので、少しずつ良くなればいいなと思います。
横向けで両手を重ねて、腕を動かすレッスン
83歳のMさん。
普段、前屈みで座り続けているとお腹の奥の方に痛みが出るそうですが、横隔膜の過緊張かと思いますので、今日用意していたレッスンは、肋骨も使えて、タイムリーだったかも知れませんね。
初めてのボディスキャンで、戸惑いが見られましたが、レッスンを進めるにつれ、長座で膝の裏が床に着くようになったそうです。
地元は下関なので、娘さんの家に来た時だけのケアになりますが、今回のレッスンの動画も撮っていたようなので、動画からの音声を聴きながら、のんびりやって下さいね。
仰向けで脚を4の字に組んで、脇腹を縮めるレッスン
このページで度々取り上げてる軽度認知症の方へのフェルデンクライスATMレッスン。
多少の忘れっぽさはあるようですが、レッスンそのものは、初めての時に比べ、クリアなものになってます。
脇腹を縮める動きは、女性が頭を回転させながら動かしていくのに対し、男性の方は、顔が常に天井を向いたままで頭が動きません。女性が全身が様々な形で関与した動きなのに対し、男性の方は肋骨と脊柱の動きがうまく分化していないようです。
今回は少し難しく感じる動きがあったようで、手によるサポートが入りましたが、そこから自分なりの動きをクリエイトしていく様子が見られました。
まだ、三回目ですが、これからどんな進化をするのか、楽しみですね。
仰向けで骨盤と肩を上げたり下ろしたりのレッスン
軽度認知症の方へのフェルデンクライスATMレッスン4回目。
回を重ねるごとに、感覚も思考も表情も良くなってきています。笑いあふれるレッスンです。
本人も認知症であることを、周囲にカミングアウトしていたり、病気であるという自覚があります。自覚した上でレッスンを続けています。
初めてのレッスンの時は、スリッパを片方しか履かなかったり、部屋を間違えたり、目の焦点も合わないようなうつろな感じでしたが、今は認知症と言われても、わからないレベルで維持できています。
しばらくは単純な動きのレッスンを続け、もう少ししたら、少し複雑なことをやって行こうかと思います。